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2026年8月5日エイトブログ経営組織・カルチャー

赤字事業から撤退できない中小企業に共通する意思決定の罠

「あと少しで黒字化する」と赤字事業を続けてしまう中小企業は少なくありません。サンクコストバイアスと撤退基準の不在という構造的原因と、事前に数値基準を決めておく3つの実践法を解説します。

「もう少し待てば黒字化する」——そう信じて赤字事業を続けているうちに、気づけば数年が経っていた。経営者からそんな相談を受けることが少なくありません。

「あと少しで黒字化する」で先送りされる現場

以前ご相談を受けた卸売業の経営者は、3年前に立ち上げた自社ECチャネルが18ヶ月連続で赤字だったにもかかわらず、投資を続けていました。理由を聞くと「ここまでシステムに投資したのだから、今やめたらもったいない」という答えが返ってきました。売上は伸びているものの、広告費と人件費を差し引くと毎月赤字。それでも「あと半年待てば」という期待だけで、撤退の議論自体が社内で起きていなかったのです。

撤退できない本当の原因は「基準がない」こと

これは意思決定の甘さというより、構造の問題です。人は一度投資した資源を惜しんで、合理的でない判断を続けてしまう傾向があります(いわゆるサンクコストバイアス)。加えて中小企業では、事業を始める際の承認基準は明確でも、「どうなったらやめるか」という撤退基準を事前に決めていないケースがほとんどです。基準がなければ、担当者は「まだ頑張れる」という感覚だけで継続を選び続けることになります。誰も撤退を言い出せない空気も、この構造から生まれます。

撤退基準を事前に数値で決めておく

有効だったのは、次の3つの手順です。

  • 事業開始時に「12ヶ月で損益分岐点に届かなければ撤退」など、数値基準を文書化しておく
  • 四半期ごとに、担当者以外を交えたレビューの場を設ける
  • 売上や利益だけでなく、その事業に割いている人員の機会損失も評価軸に加える

先述の卸売業では、この基準を導入した翌四半期に撤退を決断し、浮いた人員を主力事業のデータ活用に振り向けた結果、半年で在庫回転率が改善しました。基準を先に決めておくことで、感情ではなく数字で判断できる状態をつくれます。

さいごに

自社の事業や新規投資に、「どうなったらやめるか」という基準はあるでしょうか。一度書き出してみるだけで、次の判断がぐっと楽になります。こうした意思決定の仕組みづくりについてDXの観点から相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

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