「今月も発注のタイミングを逃して欠品を出してしまった」「気づけば倉庫に売れない在庫が積み上がっていた」——中小企業の現場でよく聞く悩みです。在庫管理は勘と経験に頼る業務の代表格ですが、AIによる需要予測を取り入れると、その精度は大きく変わります。
発注担当者の勘に頼るほど、在庫はズレていく
多くの中小企業では、発注量を決めているのは「前月の売れ行き」と「担当者の感覚」です。季節変動、取引先の発注周期、天候やSNSでの話題性など、需要を左右する要因は年々増えているにもかかわらず、判断のよりどころは変わっていません。担当者が異動・退職すると、その勘とノウハウはそのまま失われ、後任者はまたゼロから経験を積み直すことになります。結果として、欠品による販売機会の損失と、過剰在庫による保管コスト・資金繰りの圧迫が、同時に起き続けます。
なぜ「経験則」だけでは在庫が合わないのか
原因は、需要を動かす変数が人間の頭で処理できる量を超えている点にあります。POSデータや受発注履歴には十分な情報が眠っているのに、Excelでの手作業集計では過去の傾向を可視化するだけで手一杯になり、将来の予測にまで手が回りません。データはあるのに使われていない、というのが実態です。
AIで在庫予測を始める3つのステップ
- 過去2〜3年分の受発注データをCSVで一元化する(品目・数量・発注日・納期のみで十分です)
- そのデータをAIツールに読み込ませ、品目ごとの需要変動パターンと欠品・過剰在庫が起きやすい時期を可視化する
- 発注ルールを「担当者の勘」から「予測値+安全在庫の数式」に置き換え、月次で予測と実績のズレを検証・修正する
ある部品商社では、300品目の受発注データをAIに読み込ませて需要予測を導入した結果、月8件あった欠品件数が2件まで減り、在庫金額も15%圧縮できました。特別なシステム投資をせず、既存データの整理と分析の型を変えただけで得られた成果です。
さいごに
御社では、欠品や過剰在庫がどのくらいの頻度で発生していますか。棚卸のたびに「なぜこの数量を発注したのか説明できない」と感じるなら、見直しのタイミングかもしれません。在庫管理のAI活用についてDX相談をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。